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消費者庁がステマ告示と優良誤認で措置命令、依頼した投稿を自社サイトに掲載

消費者庁が10月20日、giobaiにステマ告示違反と優良誤認で措置命令。依頼したInstagram投稿を自社サイトに抜粋した点が認定されました。アフィリエイトに関わる点を整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

消費者庁は2026年10月20日、「FLEURISTE(フルリスト)」と称する商品(専用アロマカートリッジを含む)を販売する株式会社giobaiに対し、景品表示法第7条第1項に基づく措置命令を出しました。違反とされたのは、優良誤認(第5条第1号)と、ステルスマーケティング告示(第5条第3号)の2つです。ステマの部分は、事業者が第三者にSNS投稿を依頼するなどし、その投稿を自社サイトに「User’s Voice」として載せたのに、依頼した投稿であることが示されず、事業者の表示だと判別しにくかった、という内容でした。ブログやSNSで広告案件を扱う人にとって、「どこまでが事業者の表示になるのか」を考える材料になる事例です。

消費者庁が認定した、ステマ告示の違反の中身

措置命令の文書(消費者庁のPDF)によると、giobaiは、第三者に対し、商品の無償提供と対価の提供を条件に、Instagramへの投稿を依頼するなどしていました。そのうえで、第三者が投稿した表示の一部を抜粋して、自社のウェブサイトに載せていました。

表示の例として、令和6年(2024年)7月11日から同年10月2日までの間に、「User’s Voice SNSでも大人気」という見出しのもと、「布団干すのやめました おしゃれで 家事ラク」などの投稿を表示していた、と記されています。表示期間は別表で整理されていて、2024年10月3日から12月6日までの間にも、同じ見出しのもとで別の投稿が載せられていました。

消費者庁は、この表示を、事業者(giobai)の表示だと認めました。第三者に投稿を依頼し、その一部を抜粋して自社サイトに表示していたことから、giobaiは表示内容の決定に関与していると認められた、という判断です。そのうえで、この表示は、「依頼した投稿であることを明らかにしておらず、表示内容全体から一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭になっているとは認められない」ため、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示に当たる、としています。

同時に認定された優良誤認の部分

今回の命令には、ステマ告示のほかに、自社サイトでの表示が「実際のものよりも著しく優良であると示すもの」だという認定も含まれています。消費者庁が、効果の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ(景品表示法第7条第2項)、提出された資料は、いずれも合理的な根拠を示すものとは認められなかった、とされています。

表示の例として、命令の概要には、「ダニが死滅する50度まで急速に熱し、乾燥させる」「アロマ成分配合したダニ忌避作用」といった記載が挙げられています。別表1には、「99.8%徹底除菌」の記載があり、2024年12月7日の表示では、「黄色ブドウ球菌99.99%除菌」の効果も対象とされています。

命じられた内容

消費者庁が命じた内容は、次の3点です。

  • 優良誤認の表示、およびステマ告示に当たる表示が、景品表示法に違反するものであることを、一般消費者に周知徹底すること
  • 再発防止策を講じて、それを従業員に周知徹底すること
  • 今後、同様の表示を行わないこと

ステマ規制の対象は広告主。依頼を受けた第三者は対象外とされている

消費者庁の解説ページによると、ステルスマーケティング規制は、2023年10月1日から景品表示法違反となりました。対象は、商品やサービスを供給する事業者(広告主)です。企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は、この規制の対象とはならないと、同ページに書かれています。規制されるのは、一般消費者が広告だと分からない広告で、事業者が第三者に依頼・指示して作らせるSNS投稿やレビューも含まれます。個人の感想など、広告でないものは対象外です。

消費者庁のページは、アフィリエイトについて直接は述べていません。ただ、広告主から依頼を受けて書く人は、この「依頼を受けた第三者」の説明に当てはまると読めます。一方で、広告主が内容の決定に関与している場合に、広告表示がなければ、広告主側の表示として問題になりえます(今回の命令でも、「表示内容の決定に関与」が認定の前提になっています)。立場や案件の形によって扱いが変わる可能性があるので、案件を受けるときは、広告表記の指示やルールを広告主に確認しておくのがよいでしょう。判断に迷うときは、消費者庁の運用基準やQ&A、ガイドブック、アフィリエイト広告に関する報告書など、公式の資料や専門家に確認してください。

筆者の見方:口コミを転載するときに考えたいこと

ここからは筆者の見方です。今回の事例でいちばん目を引くのは、広告主が自社サイトに「User’s Voice」として抜粋して載せた表示が、事業者の表示と認定されたことです。ここまで見てきたとおり、優良誤認のほうも、効果の根拠を示せなかったことが問われています。アフィリエイトの現場でも、広告主のLPや公式サイトの口コミを、そのまま転載する場面は少なくありません。依頼や提供を受けた投稿だった場合には、読者に誤解を与えるおそれがあり、広告主の表示として問題になる可能性もあります。

命令は「依頼した投稿であることを明らかにしておらず」と述べています。筆者としては、PR・広告の表記を読者が気づく位置に置き、提供を受けた投稿を一般の声のように見せないことが大切だと考えます。表示の位置などの目安は、消費者庁の運用基準やガイドブックで確認してください。また、商品の効果は、広告主の資料にある表現をそのまま書くのではなく、根拠が示されているかを確かめてから紹介するのが、今回の優良誤認の認定から読み取れる備えだと思います。

参考にした公式情報

2026年10月24日時点の情報です。

本記事は情報提供を目的としており、収益を保証するものではありません。法律・税務に関する内容は一般的な情報であり、個別の判断は弁護士・税理士などの専門家や公的機関の最新情報でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。