No.1表示で課徴金命令、注文住宅4社に消費者庁
消費者庁が10月28日、注文住宅4社にNo.1表示で課徴金納付命令。根拠調査の問題点と、ブログ・アフィリエイトで順位や満足度を載せるときの確認点を整理。
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消費者庁は2026年10月28日、注文住宅の建築請負を手がける4社に対し、景品表示法第8条第1項にもとづく課徴金納付命令を出したと発表しました。対象は、住宅情報館、一建設、飯田産業、アーネストワンの4社が、飯田グループホールディングスと共同して供給する注文住宅について、チラシやWebサイトに載せた「No.1」「3冠」といった表示です。消費者庁は、これらの表示の根拠になった調査が客観的なものではなかったとしています。広告やランキングを扱うブロガー・アフィリエイターにとっても、参考になる内容です。
問題とされたのは「No.1」「3冠」の表示
消費者庁の資料によると、住宅情報館は2022年(令和4年)のポスティングチラシで、「飯田グループの注文住宅は3項目で顧客満足度No.1」「No.1 日本トレンドリサーチ 土地情報が豊富な注文住宅会社」「No.1 日本トレンドリサーチ 高品質なのにローコストな注文住宅会社」「No.1 日本トレンドリサーチ 初めて住宅を建てる方におすすめの注文住宅会社」などと表示していました。一建設、飯田産業、アーネストワンは、2023年(令和5年)の自社Webサイトなどで、「飯田グループは皆様に選ばれて3冠達成!」といった文言と、同じ3項目の「No.1」表示を載せていました。
消費者庁は、これらの表示が、実際に利用したことがある人や知見のある人を対象にした調査で、飯田グループの提供する役務が3項目ともそれぞれ第1位であったかのように示すものだと判断しました。
消費者庁が根拠調査の何を問題にしたか
消費者庁は、表示の根拠とされた調査について、次の点を挙げています。
- 飯田グループホールディングスが委託した事業者による調査で、回答者が、飯田グループの役務や同種の役務を「実際に利用したことがある人」か「知見のある人」かを確認していなかった
- 比較したのは、飯田グループホールディングスと、委託先が同種の事業者から指定した「特定9事業者」だけで、任意に選んでいた
- 各事業者のWebサイトの印象を尋ねるものだった
- 以上から、客観的な調査にもとづくものではなく、表示も調査結果を正確かつ適正に引用したものではなかった
課徴金の額はリリースの別表に記載されていて、納付期限は2027年5月31日です。本記事では、金額は扱いません。金額や対象期間は、消費者庁の公表資料で確認してください。
ただし書に当たらないとされた理由は「十分な検証をしていなかった」こと
リリースには、景品表示法第8条第1項のただし書(相当の注意を怠った者でないと認められるときは課徴金を命じない、という規定)に当たらない理由も書かれています。4社はいずれも、表示の根拠とした調査結果が客観的なものか、調査結果と表示内容が適切に対応しているかを、十分に検証せずに表示していた、というのが理由です。調査を外部に委託していても、検証が不十分なら、課徴金の免除は認められなかった、と読めます。
措置命令とは別の「課徴金」という仕組み
景品表示法の不当表示への対応には、表示をやめさせるなどの「措置命令」と、お金の納付を命じる「課徴金納付命令」があります。今回の発表は後者です。リリースには、表示をした期間を示す「課徴金対象行為をした期間」と、課徴金の計算に使う「課徴金対象期間」が、別表で区別して書かれています。今回の対象になった表示は、2022年と2023年のものでした。広告を出す事業者から見れば、表示をやめたあとでも、一定の期間内であれば、過去の表示について課徴金を命じられることがある、ということです(課徴金の計算方法や期間の詳細は、消費者庁の景品表示法の解説で確認してください)。
ランキングや「No.1」を載せるときに確かめたいこと
アフィリエイト記事やLPで「No.1」「人気第1位」「満足度1位」と書くときは、次の点を、今回の資料に照らして確認しておくとよいでしょう。ただし、これは確認の目安で、法的な判断を示すものではありません。
- 調査の対象者は誰か(実際に利用した人か、印象だけを答えた人か)
- 比べた事業者は、同種の事業者を偏りなく含んでいるか
- 調査の条件(対象者・比較対象・設問)を省いて、「満足度No.1」「3冠」のように言い換えていないか
- 調査会社や広告主から渡された数字を、自分でも裏づけられるか
法律の判断や個別の広告の適否は、専門家や消費者庁の窓口に確認してください。
個人的に気になるのは、問題とされた調査が「各社のWebサイトの印象」を尋ねたものだったのに、住宅情報館のチラシでは「顧客満足度No.1」という言葉になっていた点です。アフィリエイト記事でも、案件のLPにある「No.1」を「満足度1位」「評判No.1」と言い換えて紹介しがちですが、今回の資料を読むと、その言い換えが調査とのずれをさらに広げかねないと感じました。命令の相手は広告主ですが、読者が目にするのは記事の言葉です。LPの「No.1」を使うときは、注記にある調査の対象者・比較対象・設問をまず読み、言い換えずに、調査の出所と条件ごと載せるようにしたいと考えています。
出典
2026年10月28日時点の情報です。
本記事は情報提供を目的としており、収益を保証するものではありません。法律・税務に関する内容は一般的な情報であり、個別の判断は弁護士・税理士などの専門家や公的機関の最新情報でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。