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消費者庁がH.I.S.Mobileに措置命令、割引表示が有利誤認 通常価格の実績が論点に

消費者庁が2026年11月6日、海外用モバイルルーターのレンタルサービスの割引表示について、H.I.S.Mobileに景品表示法の措置命令。表示の内容と、紹介記事を書く側の確認点を整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

割引表示が有利誤認に、H.I.S.Mobileへ措置命令

消費者庁は2026年11月6日、H.I.S.Mobile株式会社に対し、景品表示法第7条第1項に基づく措置命令を出しました。対象は、同社の海外用モバイルルーターのレンタルサービス「HIS Wi-Fi」の自社ウェブサイトの表示です。違反とされたのは、景品表示法第5条第2号(有利誤認)です。割引をうたう表示が、実際の取引条件より著しく有利だと一般消費者に誤認される表示にあたると認定されました。

公表資料で対象とされた表示媒体は同社の自社ウェブサイトで、アフィリエイト記事への言及はありません。ただ、「期間限定」「○%OFF」といった訴求は、アフィリエイト記事でも日常的に使われます。どの表示が問題とされたのかを、公表資料から確認しておく価値はあります。

問題とされた2種類の表示

消費者庁の公表資料によると、問題とされた表示は2つあります。

1つ目は、2025年2月5日から同年5月8日までの間、「春旅応援 キャンペーン Wi-Fi 無制限プラン レンタル料金 45%OFF」「2025年2月4日(火)~5月8日(木)」「キャンペーン期間中のお申込み限定」といった内容を表示していたものです。この表示は、期間内に申し込んだ場合に限って、期間後よりも有利な45%の割引率が適用されるかのように見せていました。実際には、期間後に申し込んだ場合のほうが、期間内よりも高い割引率が適用された価格で提供を受けられた、と認定されています。

2つ目は、2025年12月18日から2026年2月2日までの「初夢フェア2026」で、「期間限定50%OFF」「1日あたりのレンタル料金 初夢フェア50%割引適応!」(12月26日以降は「適用」)などと表示していたものです。割引率が適用されていない価格を同サービスの通常の提供価格のように見せ、割引後の価格がそれより安いかのように表示していましたが、その通常の提供価格は、最近相当期間にわたって提供された実績のないものだった、と認定されています。筆者の整理では、いわゆる二重価格表示にあたる事案です。

命令の内容

公表資料の「命令の概要」によると、主な内容は次の3点です。

  • 問題の表示が、実際より著しく有利だと一般消費者に誤認される表示で、景品表示法に違反するものである旨を、一般消費者に周知徹底すること。
  • 再発防止策を講じて、役員と従業員に周知徹底すること。
  • 今後、同様の表示を行わないこと。

この件について、課徴金納付命令に関する記載は公表資料にありません。

「最近相当期間」の考え方は、消費者庁の文書に書かれている

公表資料は、2つ目の表示について「最近相当期間にわたって…提供された実績のないもの」と認定しています。この「最近相当期間」は、消費者庁の「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」にも出てくる言葉です。ただし、この文書の基準を本件にどう当てはめたのかは、公表資料には書かれていません。

文書では、過去の販売価格を比較の価格にする場合、同じ商品を最近相当期間にわたって販売していた価格とはいえない価格を使うなら、その内容を正確に表示しない限り、不当表示に当たるおそれがある、としています。「最近」はセール開始時点からさかのぼる8週間で検討され(販売期間が8週間未満ならその期間)、その価格で売られていた期間が過半を占めていれば、一般的には「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とみてよい、とされています。ただし、通算2週間未満の場合や、最後に売られた日から2週間以上たっている場合は、これに当たらないと考えられています。個々の事案ごとに検討される点にも注意が必要です。なお、この文書は商品の販売を念頭に書かれており、本件は役務(レンタルサービス)の提供です。

紹介記事を書く側が、確認しておきたいこと

ここからは筆者の見方です。アフィリエイト記事では、広告主から提供された訴求やキャンペーン情報を紹介する場面が多くあります。その際、「期間限定」「通常価格から○%OFF」といった表現を、そのまま書き写してよいのかは、立ち止まって考えたいところです。今回の命令では、期間を区切った割引なのに、期間後のほうが高い割引率だったという表示が認定されています。紹介する側が気づかないまま、同じ表示を載せてしまうおそれはあるでしょう(これは筆者の想定です)。

実務的には、次のような確認が考えられます。

  • 割引の期間と条件を、広告主の公式ページで確認し、確認した日付を記事に明記する。
  • 「通常価格」と書かれている価格が、実際に継続して提供されている価格かを、公式サイトで確かめる。過去の価格の推移は外部から確認できない場合が多いため、確認できないときは、「公式サイトでは○円と表示されています」のように、出典を示す書き方にとどめる。
  • キャンペーン終了後や、条件が変わったときに、記事を更新する、または記載を削る。

これらは法的な義務を述べたものではなく、記事の正確さを保つための実務上の工夫です。個別の表示が適法かどうかの判断は、消費者庁の資料や、必要に応じて専門家に確認してください。

参考にした公式情報

2026年11月7日時点の情報です。

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