PSIのスコア、サイトを変えなくても上がることがある Lighthouse 13.6の変更点
PageSpeed InsightsがLighthouse 13.6.0の読み込みシミュレーションに変わり、変更していないページでもスコアが上がることがある。何が変わったか、スコアの読み方を整理します。
公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて
ブログの表示速度をPageSpeed Insights(PSI)で測っている人は、数日前から、サイトに手を入れていないのにスコアが変わっていないか、確かめてみてください。Lighthouseのバージョン13.6.0(2026年10月27日リリース)で、ページ読み込みのシミュレーションが変わり、リリースノートはPSIへの反映を「1週間以内」の見込みとしており、Search Engine Journal(2026年11月2日付)は、PSIがこの版を使うようになったと伝えています。同記事によると、Chromeチームのバリー・ポラード氏は、シミュレーションしたFCP(最初のコンテンツの表示)とLCP(最大コンテンツの表示)がより正確になり、スコアは一般に高く出ると説明しています。この記事では、何が変わったのか、ブログ運営者はスコアの変化をどう読めばよいかを整理します。
描画ブロックの判定とLCPの見積もり方が変わった
Lighthouseのリリースノートによると、13.6.0では、読み込みを再現するシミュレーションエンジン(Lantern)に、次の変更が入りました。
- 描画ブロックの判定:Search Engine Journalによると、13.5までは各リクエストの取得優先度(fetch priority)で描画をブロックするかを判断していましたが、13.6ではChrome自身の描画ブロックの判定を使い、判定がないときだけ優先度で代用します。リリースノートも、プロトコルのrenderBlockingの状態を使うと書いています。
- LCPの見積もり:LCPの要素が、最初のコンテンツと同じフレームにあるテキストのとき、FCPと同じリクエストとタスクから見積もります。リリースノートも、同じフレームでテキストのLCPが起きる場合はFCPのグラフを使うと書いています。
- HTTP/3を多重化として扱うことや、オリジンごとの往復時間・スループットの見積もり、リダイレクトの扱いも改善されたと、リリースノートにあります。
背景には、Ivan Akulov氏が、Framerの事例をもとに2025年6月に報告したGitHubのissue(#16539)があります。早い段階で読み込むアセット(modulepreloadなど)が、シミュレーションではFCPやLCPを遅らせると見なされ、実際の体験は速いのにスコアが悪くなる、という問題でした。このissueは2026年10月8日に完了扱いとなり、報告者は11月3日の時点で、13.6が大半の問題を直したとしつつ、楽観的なLCPのグラフが、modulepreloadやfetchを含むほぼすべてのリクエストをLCPのブロック要因として扱う問題は残っている、と述べています。同じ日に、メンテナーが修正をコミットし、次のリリースに入れたい意向を示した、というコメントもあります。
JavaScriptを多く使うサイトほど、変化が出やすい
ポラード氏は、この変更は「JavaScriptを多く使うサイトに影響しやすい」としていて、シングルページアプリ(SPA)に限った話ではないと述べています。WordPressのテーマやプラグインでJavaScriptを多く読み込んでいるブログでは、スコアが動く可能性があります。なお、Search Engine Journalは、未解決のissue(#17437)として、JavaScriptの多いサイトやSPAで、シミュレーションのLCPが実測よりかなり大きく出る例を調べている、とも伝えています。
「改善した」と書く前に、バージョン・ラボとフィールド・施策の時期を確かめる
- 測定したLighthouseのバージョンを確かめる:変更前と変更後のレポートで、Lighthouseのバージョンが同じかを確認し、記録しておきます。違う場合、シミュレーションの方法が違うため、同じ条件での比較とは言えません。スコアを記録しているグラフの、切り替えの時期に段差が出ることがあります。
- ラボデータとフィールドデータを分けて見る:PSIのラボデータは、1つの端末と決まったネットワーク条件でのシミュレーションです。実際の訪問者のデータ(CrUX、直近28日間)とは別物で、Googleのドキュメントも、ラボデータが良いからといって、実際のユーザー体験が良いとは限らないと説明しています。
- 実際の施策の効果と混同しない:画像の最適化やキャッシュの設定を行った時期と、PSIの更新が重なると、どちらの効果か分からなくなります。
Chrome 159への搭載と、ARD・robots.txt監査の変更
リリースノートは、13.6がChrome 159のDevToolsに入る見込みだとしています。Search Engine Journalによれば、11月2日時点でChrome 159の安定版は12月8日の予定です。また、同リリースでは、AIエージェント向けのリソース発見に関する監査(ARD)が仕様のv0.91に合わせて変わり、検出に使うファイルがai-catalog.jsonからard.jsonに置き換わりました。以前の名前の場所は警告になります。また、robots.txtやllms.txtの監査では、HTTP 429が返ると失敗になる、とリリースノートにあります。AI向けのファイルを置いているブログ運営者は、監査結果の表示が変わる可能性があります。
筆者の見方:記事に「PSIで◯点」と書いているなら、測定時期の注記を
ここからは筆者の見方です。サイトの紹介や比較記事に「PageSpeed Insightsで◯点」と書いているなら、10月末から11月初めを境に、測定に使われたLighthouseのバージョンが違う可能性があります。測定した時期やバージョンを一言添えておくと、あとで点数が違っても説明がつきます。また、楽観的なLCPのグラフの修正は次のリリースに入る見込みと伝えられていて、スコアがまた動くかもしれません。JavaScriptの多いテーマでは、シミュレーションと実測の差が残っている例もあるため、上がった点数を、テーマ選びの根拠にするのは避けたほうがよいと考えます。点数の上下より、Search Consoleの「ウェブに関する主な指標」のような実際の訪問者のデータと、PSIの診断(何が遅いか)を、別の目的で使い分けるのが安全です。なお、Googleが検索順位でPSIの点数そのものを使うとは、確認できた資料には書かれていません。
参考にした情報
- Lighthouse v13.6.0 リリースノート(GitHub、2026年10月27日)
- Google Lighthouse Update Changes How PageSpeed Insights Simulates Loading(Search Engine Journal、2026年11月2日)
- Lighthouse Punishes Good Asset Preloading(GitHub issue #16539)
2026年11月4日時点の情報です。
本記事は情報提供を目的としており、収益を保証するものではありません。法律・税務に関する内容は一般的な情報であり、個別の判断は弁護士・税理士などの専門家や公的機関の最新情報でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。