インボイスの経過措置が10月に見直し、個人向け3割特例も新設
国税庁によると、令和8年度税制改正でインボイスの経過措置が見直され、個人事業者向けの3割特例が新設されました。ブログ収益の個人事業者向けに要点を整理します。
公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて
ニュースの概要
国税庁の「令和8年度税制改正によるインボイス制度の見直し」のページによると、免税事業者などからの仕入れに係る経過措置の控除割合が、令和8年10月から見直されました。あわせて、個人事業者向けに「3割特例」が新たに設けられています。ブログやアフィリエイトを個人事業として続けている人のうち、インボイス発行事業者に登録した人は、消費税の申告に関わる変更です。
この記事は、国税庁のページに書かれている内容の整理です。個々の人の納税額や、登録するかどうかの判断は、収入や取引先によって変わります。最終的には、税務署や税理士などの専門家に確認してください。
何が変わるのか
国税庁のページに示されている内容は、次のとおりです。
免税事業者等からの仕入れの経過措置(7・5・3割控除)
インボイスのない免税事業者などからの仕入れについて、仕入税額の一部を控除できる経過措置の割合が、次のように見直されました。
- 令和8年10月から2年間:70%
- 令和10年10月から2年間:50%
- 令和12年10月から1年間:30%
- 令和13年10月以降:0%
改正前は、令和8年10月から3年間は50%の予定でした。また、控除の対象になる金額には上限があり、1つの免税事業者等からの課税仕入れの合計額(税込)が、年または事業年度で1億円を超える場合、超えた部分は対象外です(改正前は10億円)。なお、1億円の上限の見直しは、令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
3割特例
インボイス発行事業者の登録によって、免税事業者から課税事業者になった個人事業者が対象です。法人は対象外です。期間は、令和9年分と令和10年分の消費税の確定申告で、納付税額を、売上に係る税額の3割とすることができます。主な要件は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることと、インボイス発行事業者の登録を受けていることです。基準期間は、令和9年分なら令和7年、令和10年分なら令和8年です。
2割特例との関係
国税庁のページでは、2割特例の適用期間は、令和8年9月30日が属する課税期間までとされています。個人事業者の場合は、そのあとの令和9年分・令和10年分で、3割特例が使えます(これは記事側の整理です)。また、2割特例や3割特例を適用した翌課税期間から簡易課税制度を選ぶ場合は、その課税期間の申告期限までに「簡易課税制度選択届出書」を提出すればよい、とされています。簡易課税は、選択後は原則2年間続けて適用する必要があります。
読者への影響
このニュースが関係するのは、主に次のような人です。
- ブログやアフィリエイトの収入があり、個人事業者としてインボイス発行事業者に登録している人。登録によって免税事業者から課税事業者になった個人事業者は、3割特例の対象になる可能性があります。
- ブログの運営で、外注のライターや、免税事業者である取引先に支払いをしている、課税事業者の人。仕入税額控除を原則どおり計算している場合は、この経過措置の割合が関係します。簡易課税制度や、2割・3割特例を使う場合は、仕入れの実額を使わないため、直接は関係しません。
- インボイスの登録をするかどうかを、これから考える人。
登録していない免税事業者は、今回の3割特例の対象にはなりません。法人の場合も、3割特例は使えません。
確認すること
- 自分が課税事業者か免税事業者か、インボイス発行事業者に登録しているかを確認する。
- 登録している場合は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下かどうかを確認する。
- 簡易課税制度を選ぶ可能性があるなら、届出書の提出期限を、国税庁の例で確認する。
- 外注費の支払い先が、インボイスの登録事業者かどうかを把握する。
- 詳細は、国税庁の「令和8年度税制改正によるインボイス制度の見直し」のページと、税務署、税理士に相談する。
筆者の見解
私見では、アフィリエイトで収入を得ている個人にとって大切なのは、「3割特例が使える期間があるから登録しておいたほうが得」と短絡的に考えず、取引先との関係で登録が必要かどうかを先に確かめることだと考えます。取引先との契約や、報酬の支払いのしくみによって、必要な対応が変わる場合があると思います。
また、特例が使える期間は令和9年分と令和10年分までに限られます。そのあとは、主に通常の計算か簡易課税のどちらかを選ぶことになると考えられます(登録を続けるかどうかも含めて検討が必要です)。特例が終わったときに、税負担がどうなるかを、早めに試算しておくのが現実的だと思います。収入の規模や取引先の事情によって最適な選択は異なるので、迷う場合は専門家に相談するのが安心です。
出典(一次情報)
2026年10月8日時点の情報です。
本記事は情報提供を目的としており、収益を保証するものではありません。法律・税務に関する内容は一般的な情報であり、個別の判断は弁護士・税理士などの専門家や公的機関の最新情報でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。