ニュース

Google、robots.txtはAI利用までは制御できないと説明

Googleのイリェーシュ氏が、robots.txtはクロールの許可を伝えるもので、AIによる利用の可否までは決められないと説明。Google-Extendedの扱いと運営者ができることを整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

Googleのガリー・イリェーシュ氏が、Search Centralの動画シリーズで、robots.txtで制御できる範囲について説明しました。Search Engine Journal(SEJ)の2026年10月22日付の記事によると、robots.txtは、RFC 9309のもとでは「アクセスの希望を伝える仕組み」であり、すでにクロールされたデータをシステムがその後どう使うかまでは決められない、という内容です。自分のブログやアフィリエイトサイトの文章が、AIの学習や回答に使われることが気になる運営者にとって、robots.txtで何ができて、何ができないのかを整理する材料になります。この記事では、SEJの報道と、Googleの公式ドキュメントで確認できる範囲をまとめます。動画そのものは見ておらず、発言の内容はSEJの記事を通じて確認したものです。

robots.txtはクロール後のデータの使い道までは縛らない

SEJによると、これは、イリェーシュ氏とGoogleのCherry Prommawin氏が、コミュニティからの質問に答える動画シリーズ「The Non-Canonical Cabinet」の第2回での発言です。主な内容は次のとおりです。

  • robots.txtは、クローラーにアクセスの希望を伝えるプロトコルで、クロールしたあとのデータの扱いまでは指示しない
  • 特定のAIクローラーを完全にブロックするには、そのクローラーのユーザーエージェントトークンを、ファイルの中で明示して指定する必要がある

なお、SEJは、RFC 9309が、プロトコルの範囲外の記録をどう扱うかをクローラーに委ねていると補足しています。範囲外の記述を守るかどうかは、そのクローラー次第ということです。

GoogleのAI学習の制御はGoogle-Extended

なお、SEJによると、Google-Extendedは動画では話題になっていません。Googleの公式ドキュメント(Googleの一般的なクローラーの一覧)では、次のように説明されています。

  • サイト運営者が、Googleがクロールしたコンテンツを、Gemini AppsとVertex AI API for Geminiを動かす将来世代のGeminiモデルの学習に使ってよいかを管理するためのもの。あわせて、Gemini AppsとGrounding with Google Search on Vertex AIでの、グラウンディング(プロンプト時に検索インデックスの内容をモデルに渡す用途)も対象になる
  • 専用のHTTPユーザーエージェントの文字列はなく、既存のGoogleのユーザーエージェントでクロールされる。robots.txtのトークンは、制御のために使われる
  • Google検索への掲載には影響せず、検索のランキングシグナルとしても使われない

公式ドキュメントの記述例は、次のような形です(ページの最終更新日は2026年10月15日UTC)。

user-agent: Google-Extended
allow: /archive/1Q84
disallow: /archive/

Google検索への掲載や順位には影響しないと、公式ドキュメントに明記されています。ただし、他社のAIクローラーについては、それぞれの運営者が示すトークンで、個別に指定する必要があります。

robots.txtを書くときの基本ルール

Googleのrobots.txt仕様のページで確認できる、書き方の基本は次のとおりです。

  • サポートされるフィールドは、user-agent、allow、disallow、sitemapの4つ。crawl-delayなどはサポートされない
  • パスは「/」から始め、フィールド名は大文字小文字を区別しないが、パスの値は区別する
  • 無効な行は無視され、有効な行だけが使われる
  • ファイルサイズの上限は500KiBで、超えた部分は無視される
  • 日本語などの非ASCIIのパスは、生のUTF-8でもパーセントエンコードでも書くことができ、Googleでは同じように扱われる。ただし、サードパーティのツールで処理する場合は、パーセントエンコードのほうが扱いやすいとされている(SEJも、Google以外のクローラーが生のパスを読み誤るおそれがあるため、パーセントエンコードを勧めています)

仕様ページには、クロールを禁止したページでも、URLが検索結果にスニペットなしで表示されることがある、とも書かれています。robots.txtだけで、検索結果への表示を防げるわけではありません。

IETFが検討するContent-Usageの案

SEJによると、イリェーシュ氏は、MozillaのMartin Thomson氏とともに、IETFのインターネットドラフトを共同で書いています。robots.txtに「Content-Usage」というルールと、対応するHTTPヘッダーを加え、AIの利用に関する希望を伝えられるようにする案で、AllowとDisallowはこれまでどおりクロールの制御に使い、Content-Usageで、クロールしたコンテンツの利用の仕方を示す形です。ドラフトは、作業部会の文書の段階で、まだ標準ではありません。「train-ai」というAI学習のラベルは、別の語彙のドラフトにあり、そちらは作業部会の合意を反映していないと、SEJは伝えています。ドラフトの期限は、新しい版で置き換えられなければ、2027年2月20日です。

運営者が今できること、筆者の見方

ここからは筆者の見方です。現時点で運営者にできることは、大きく3つだと考えます。1つ目は、Googleに対しては、Google-Extendedで、Geminiの学習やグラウンディングへの利用を管理すること。2つ目は、他社のAIクローラーを止めたい場合は、各社が示すユーザーエージェントのトークンを、robots.txtで個別に指定すること。3つ目は、IETFのContent-Usageのような仕組みが標準になるかどうかを見守ることです。

アフィリエイトサイトでは、AIへの利用をどう扱うかは運営方針によって分かれそうです。AIの回答で引用されて訪問につながる場面もあれば、情報だけが使われる場面も考えられ、現時点でどちらが多いかを示すデータは、今回の資料にはありません。また、robots.txtの書き誤りは検索のクロールにも影響するため、変更するときは、Search Consoleのrobots.txtレポートなどで、読み込まれ方を見ておくと安心だと筆者は考えています。

参考にした情報

2026年10月26日時点の情報です。

本記事は情報提供を目的としており、収益を保証するものではありません。法律・税務に関する内容は一般的な情報であり、個別の判断は弁護士・税理士などの専門家や公的機関の最新情報でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。